MY ARCHITECT

マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して
製作・監督・脚本・出演:ナサニエル・カーン
2003年 アメリカ
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我が輩は大食漢である。
しかも非常に早食いだ。

恐らくは生存競争の激しい食卓で育ったせいだろう。
それは弱肉強食という厳しい教育の場であった。
美味しいものは真っ先に食べなくては
後からゆっくりなんて事していたら、他の奴に喰われてしまう。
「できるだけ沢山、腹一杯」がテーゼである。
うっかりノタノタしていたら、
あっちを向いた隙に大嫌いなおかずを各方面から投げ入れられる。
喰ったらさっさと「ごちそうさま」の声も高らかに退場するに限る。

こういう癖は修正出来ない部類のようで、
「ゆっくり」食事を楽しむというのが未だにどうも苦手である。
いつまでもモチモチと喰うのは女々しい、などというつもりは無いし、
健康の為には30回咀嚼するのだ、と教えてくれる人もいるが。

大食漢で早食いのルーツなんて考えなくても判る。
今ある自分の姿の
一々ルーツを探したりはしない。

しかし、もし、
自分に関する事のほとんどが謎であったら、
おぼろげであったら、
多分、探求の旅に出るのだろう。

このフィルムで、
天才であった現代建築家ルイス・カーンの息子は、
愛人として生きた母から聞く父の姿だけではなく、
おぼろげな記憶の父の手の暖かさだけではなく、
25年前に亡くなった父を求めて旅をする。
彼の建築を巡る旅である。

ルイス・カーンの名建築が誠に美しい。
天才の身近に居る事の痛々しさを、
彼を取り巻く人々のインタビュ−が伝える。
静かな音楽が余韻を残す。

ワカサギのエスカベッシュと冷えたカリフォルニアのワインで。
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by sheknows | 2007-05-21 21:01

珈琲も紅茶もお茶もお酒も好き


by sheknows