カテゴリ:本( 15 )

Jポップとは何か

Jポップとは何か
ー巨大化する音楽産業ー
著者:烏賀陽弘道
2005年 岩波新書

我が輩は普段、全くもってJポップを自分で選んでは聴かない。
TVも観ないのでCMやドラマで流れるJポップに触れる機会も少ない。正確には、ほぼ無い。
何故聴かないのか?
誰も我が輩に尋ねる訳ではないが、
好き嫌い以外の答えの一つのあり方がこの本には書かれている。

「Jポップ」は、いつ何のために誕生したのか、というのは諸説紛々のようだが、ここでは生まれ落ちた時からの曖昧な性格がファンタジーを伴う事を社会的な背景と共に書かれ、更にデジタル化され広告、「自分探しトレンド」と結びつく過程とそれによる変容が書かれる。

しかし、興味深いのは「日本という音楽市場のかたち」第五章。
日本はこれによると世界第二位の音楽消費大国であるそうだ。だが、国内発の音楽コンテンツが海外で消費される事はごく僅かな例外を除いてほぼ無く、輸入はあっても輸出がない特異な状態で、しかも、特に輸出を拒まれている訳でもないという。
さて、それは、何故なのか?

構造上、経済上、そして勿論、品質上の謎解きがなされる本書は、様々な角度からJポップに照準を合わせ、Jポップの正体を見えなくしていたどろりとした覆いを、取り除いてくれる。

若干強引な展開もあるが、冷たく突き放すような論調でなく、一気に読ませる。
Jポップに興味がない人にも面白い。
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by sheknows | 2005-07-10 02:17 |

紋切り型 風之巻

紋切り型 風之巻
著者:下中菜穂
発行:(株)エクスプランテ

紋切り型というのは、その昔、江戸時代に全盛であった紙を畳んで切って、広げると…あら綺麗!美しの紋が!という優雅な遊び。

このブックレットは型紙と和紙折り紙と解説書がセットになっていて、初めての人が、いきなりやってみたくなる、そして、出来てしまう嬉しい作りである。
複雑に見える紋が以外と簡単に切れたり、こんなモノまで紋にするのか!と驚いたりしながら気が付くと紋切り型の面白さ美しさに魅了され、虜になってしまう、危険なブックレットでもある。1つのブックレットに27種程の型紙があるのだが、飽き足らず他のシリーズをつい買い求めたくなる。沢山あるから当分飽きずにチョキチョキ切っては広げ切っては広げ…。

お部屋の飾りに一人で楽しむも良し、七夕の飾りにもなるから、みんなでチョキチョキ切るのも良し(異様に盛り上がる)である。
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by sheknows | 2005-07-05 06:50 |

In the Country of Last Things

最後の物たちの国で
著:ポール・オースター
訳:柴田元幸
白水Uブックス

近未来ではない、二十世紀の世界のどこかで、失われて行く国。
そこに住む人々は何についても確たる事を言えず、見たものが実際にあったかどうか、自信なく、過ごす街。希望を持って生きる事を許されず、何も考えずに、感じずにただ生きる人々。死ぬ為に走る人々…。食料は底をつき、僅かなゴミすら再生して使う為に拾うのを仕事にする人がいる。盗みや殺しを取り締まる組織はなく、政府は頻繁に交代してしまうので、脈絡のない命令で住む所を失う人々もいる。
そんな国に兄を捜してアンナは入り込んでしまった…。

世界のあらゆる国で実際に起こっている事をモデルにしたような出来事、描写が淡々と続く。
悪夢的でありながら淡々としているのが、何とも言えない。尚更に悪夢的。その原因が何なのか、管理社会への警鐘、などの追求的な文脈はなく、ひたすら物語る。

「走者団」などの下りでは、鴻上尚史の戯曲を思い出してしまったが、おそらくはこちらが元ネタか。

柴田元幸氏の訳に惹かれる一冊である。
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by sheknows | 2005-07-04 06:15 |

おぞましい二人

作・絵:エドワード・ゴーリー
訳:柴田元幸
出版:河出書房新社
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そもそもは、
友人夫妻の幼子に贈呈しようと考えて
購入したのだが、自宅で中身を確認して、
「あ、こいつはイカン。」
イギリスの「ムーアズ殺人事件」を元にして描かれたもの。
少なくとも彼の両親は喜ばないだろう。

というわけで、小生の本棚の一冊となった。
エドワード・ゴーリーの絵や文の奇妙な味わいを
訳出する柴田元幸氏の日本語はいつも見事である。

残酷な内容だ、気持の悪い絵だ、
と人に依っては拒否反応も起こす。
同情せず、お説教臭くもなく、シニカルでもない。
しかし、毒はあり、変でもあり、
韻を踏んだ文と、モノクロの線画が
醸し出す世界はヒンヤリしていて、小生を魅了する。
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by sheknows | 2005-04-24 12:38 |

別役実のコント教室

人を笑わせる事はとても難しい。
別役実のエッセーを沢山持っているが、主に旅行に行く時やする事がなくて困った時に読む事にしている。この人のエッセーはオカシイのだが、読みながら笑う事は滅多に無い。電車の中や飛行機の中で読んで、いきなり吹き出してしまうような事もない。でもオカシイ。
何と表現したらいいのか迷うが、知能犯の笑い、確信犯の笑いなのだ。「ニヤリと笑う」感じ。そう、ワハハ!ではなく、ニヤリ。
(この感じ、何に似ているかというと、Monty Pythonに似ている。スケッチをズーッと無表情に観ているので端から見ると「ほんとに好きなの?面白くないの?」と不審がられるが、…面白いのだ。)
別役実の戯曲や「不条理の笑い」というヤツが今の時代に受けるのか、は知らないが、単に読み物としても十分楽しめる。本気でコントを学ぶテキストにしようと考えている人にはどの程度役に立つのかは分からないが、笑いの構造をすっきり説明していて、しかも戯曲の書き方、ショートコントの考え方まで身に付く、お買い得な一冊。
「別役実のコント教室」 白水社 
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by sheknows | 2005-01-17 01:19 |


珈琲も紅茶もお茶も好き


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