あなたは知らない

「あなたは知らない
…かもしれないが、あなたが言った事が嘘だと私は知っている。」

という状況では、嘘をついた相手に、直接「何故そのような嘘を?」と聴くのが最も簡単で、しかも上策であるように思える。もしも、それが可能ならば、だ。
いくら、何故嘘をつくのかを考えても、結局は分からない。
勝手な解釈や自分に都合の良い方向に走って余計に混乱するだけだ。
いくら、周辺の正確な情報を集めて冷静に分析しようとしても、
根本に「何故嘘を?」という感情的な疑問を抱えていては、
冷静な分析など出来る筈が無い。
出来れば早い内に、嘘が成長しない内に、そうやって「停止」させてしまうのが、一番だ。

しかし、いつでもそうは行かない。
嘘は成長する。成長は早い。
嘘に気付いた時にはもう軽く投げ捨てる事も出来ない状況で、
その棘に傷ついてしまう事もある。
「嘘をついた事を後悔させてやる」、というような気分にはなれず、
嘘に気付いてしまった事に辛くなる事も。
そんな時は、結局、「嘘をつき通す」事を相手に強要する事になる。

「嘘をつくなら最後まで」、というのは、嘘をついた側の責務である。
やってみれば分かるが、意外に難しい。嘘をつき通すのは実に「痛い」事なのだ。
そして、実はお互いの協力が欠かせない。意味の分かる人と分からない人が居ると思うが。ボロの出そうな、嘘の上塗りになりそうな事は聞かない。問いかけない。時として「本当の事を知りたい」という気持に苛まれても堪える。下手な嫌味を繰り出したくなっても耐える。嘘をつかれるほうも結構大変なんである。

だから、土壇場で謝られ、忌々しい真実なんぞを知らされるのは最悪だ。痛みをこらえて素知らぬ顔をし続けたこちらの努力もフイになる。二重の意味での裏切りだ。
そんな事をする位なら、初めから止めときゃいいのだ。覚悟も度胸も技術も無いのに軽々しく適当な嘘を言うべきではない。

嘘を付くときのポイントは(嘘が大きいものであればある程)、
それにほんの少しの真実を混ぜ込む事、
自分の作り出したストーリーを真実だと思い込む事。
オドオドしない事。
語り出されたストーリーに自分が乗り込んでしまう感覚が大事だ。
そして、何の為の嘘かを忘れない事。

本当の事は詰らない事が多い。
本当の事が言えない事もある。
本当の事を知らない方がいいと思える事もある。

嘘は罪なもの、甘くて苦い。
[PR]
by sheknows | 2005-01-24 00:23 | ロードレース

珈琲も紅茶もお茶もお酒も好き


by sheknows