Gerhard Richter

ゲルハルト・リヒター
鏡の絵画 Painting as Mirror
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11枚の分厚いガラスを重ねてあるその前に立つと、自分の姿の輪郭がにじんでいる。輪郭だけではない、中身もにじんでいる。動くとその軌跡が僅かに残るように見える。今にも溶け出すかのようである。
溶け出した後に残る形は何か、をふと考える。
もしくは、
11枚の分厚いガラスを重ねてあるその前に立つと、自分からオーラが出ているのが見える。緑でも赤でもない、透明のフレアのようなオーラが見える。
そして、
自分が映らない所まで行って、不思議そうに覗き込んでいる人々の姿を見る。
何度も行ったり来たり、近寄ったり離れたりしている。
何か考え深そうな表情を浮かべて佇む人もいる。

「ガラスの裏のグレイ」は、絵を見ようと近寄って来た人がぎょっとして、素早く離れる。自分が映っているのを観るからだ。

「8枚のグレイ」は円形の白い部屋に展示されていて、その展示自体が宗教的神話的。意味ありげに何度もグルグル旋回していると、存在の根源を問われている気がしてくる。

「アブストラクト・ペインティング」シリーズ。この手の作品群に対しては、態度を決めかねる事が多いのだが、この人のものはどれも「欲しい」と思わせるものがある。

「鏡はより完璧な絵画である」というゲルハルト・リヒターの作品は、演劇的な側面を持っている。
それが持つ力は図録では判らないので、実際に是非ご覧下さい。

金沢21世紀美術館にて 10/26まで開催中
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by sheknows | 2005-10-03 00:34 | 美術

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